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『夜のピクニック』 恩田陸著 感想
夜のピクニック 夜のピクニック
恩田 陸 (2004/07/31)
新潮社

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一日をかけて歩く北高鍛錬歩行祭。
三年生の西脇融と甲田貴子は実は同じ父親を持つ兄妹だった。
貴子は歩行祭で小さなかけをする。
普段全く口をきかない融と会話をすることが出来たなら、二人の関係について話をしようと。


この小説、好きです。
恩田陸さんはSF設定のものより、こう言った少年・少女のものの方が断然良いと個人的には思います。

融と貴子の一人称で交代に語られる、二人の関係や、また友人達との会話。
学生時代が遠いものになってしまった私には、ただただ懐かしさを感じます。
よそよそしい関係でありながら、しかし気になる存在であるお互い同士が、友人達には“付き合ってる、またはお互いに両思い”と思われていて、バタバタと騒動があるのも面白い。

どちらかと言うと、融がより主人公であると感じる。
それは自分の家庭環境に、貴子の方が母親の性格もあり自由であるから。
融の方が正妻の子供な訳だが、重たいものを背負っている。
それがラストで、それぞれの一人称と言う形から、夜を歩んできて朝を迎えて二人の会話と言う形を取り、人生の先を急ぎすぎていた融が開放されるシーンは、読んでてジーンとする。

融の友達の忍がとても良い。
飄々としているようでいて、語られる言葉は心に残る。
また貴子の友人の美和子もいかにも少女小説にいそうな“パーフェクトな少女”だが、私はこういうキャラが一人くらい居てくれると、物語が楽しく読めて好きです。

実は私、学生時代に夕方から翌昼間で歩き続ける“ナイトウォーク”と言う行事に参加したことがあるのです。
で、いかな若いと言えども眠らずに歩き続けてると、妙にハイテンションだったり、不機嫌だったりする人も居て、一触即発なんて場面もありました。
この小説、肉体的疲れに対する描写はあるんですけど、そう言う精神的な部分がなくて、欲を言えばそれが物足らない。
皆さん、疲れてはいるけれど精神的には普通な状態なのでね。
意外とゴールが見えてくると気持ち的にも持ち直すのでラストのシーンは良いのですが、すごく歩いたのにゴールはまだまだなーんて頃にその辺りの描写、必要以上に怒ったり、悲しくなったり、とかを入れて欲しかったなぁ、なんて思ったりする。

今現在学生の人にも、学生時代に別れを告げてしまった人にも読んで欲しい一作。
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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コメント

何故か懐かしい
以前読んだ時に、私の通っていた学校には夜中に歩く行事は無かったけれど、遠足や登山などやたらと歩かねばならなかった行事を思い出して懐かしくなりました。歩いている時は辛いのだけどその時目にしたり耳にした一瞬が何とも懐かしい。

学校祭の前日の準備風景とか運動会の最後のフォークダンスとかほとんどいつもと同じ風景・人々なんだけど少しだけ非日常なところがある作品ってそれだけで惹かれます。
>やまふささん
分ります、分ります。
学生時代のそう言う風景を切り取って描かれた作品には私も弱くって。
ノスタルジーと言うものなんでしょうね。

文化祭の前のハイテンションな華やぎ、終わった時のふとよぎる寂しさ、等などの描写に出会ったりすると、涙が出そうなときがあります。

恩田陸さんの小説では、そのジャンルのものが良いなぁと思いました。
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Author:mam
『よろず屋の猫』の支店です。
本店はhttp://plaza.rakuten.co.jp/yorozucat/です。

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