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『扉は冒険の入り口』 ☆ 影さん、お誕生日おめでとう!!
先日、私の若きネッ友・影さんがお誕生日を迎えられました。
私は絵が描けないので、プレゼントとなるとお話を書くしか・・・。
それでも良いと言ってくれた彼に、私は業突く張り商人のような提案。
「じゃあ、イラストちょうだい。」
これのどこがプレゼントになるのでしょう・・・。
でも影さんのイラストのイメージで一生懸命に考えました。

おめでとう、影さん。
君の人生、まだまだこれから。
楽しいことがいっぱいいっぱいありますように。





毎年、おじいちゃんの誕生日には親戚一同、おじいちゃんの館に会してパーティーをする。
これはもう一族の決まりごと。
新しい年を迎えた日に、新しいカレンダーに一番最初に書き込まれるスケジュール。

おじいちゃんは面白い人だ。
赤ワインに酔って上機嫌になると、必ず僕たち孫を集めて話をする。
「私がまだまだ若い頃に・・・。」で始まる魅力的な冒険譚。
そして決まって話の最後に、
「これはその時のみやげ物なんだが、お前たちにあげよう。」と風変わりな品物を一人一人にくれるんだ。
一昨年は海賊が頭にしばるというボーダー柄のバンダナ。
昨年は今まで見たこともない透明な花弁を持つ、大輪の押し花。
柄のところに見事な彫り物がしてある、本当に本当に小さな短剣・・・なんて年もあったなぁ。
そして今年は突拍子もない洋服。
「盗賊団の衣装なんだ。」とおじいちゃんは片目をつぶって見せる。

僕はずっと確信していることがある。
秘密の謎解きはあの部屋、館の二階の端にある、通称『あかずの間』にあると。
何にでも寛容なおじいちゃんが僕達に課すたった一つの禁止事項。
「あの部屋に入ってはいけないよ。」

僕は今夜、おじいちゃんがうたた寝をしている間に、おじいちゃんの部屋にこっそり入りこんで、探しに探して鍵を見つけた。
一緒に誘ったのは同い年のジュディーだけ。
その気満々だったのに、今になって
「ねぇ、やっぱりまずいわよ。何か私、すっごくイヤな予感がする。」なんて言い出す。
「戻ろう、ケヴィン、ねっ。」
そのばっちり決めたコスチュームは何のためなのさ。
「しっ、見つかっちゃうよ。大きな声を出さないで。」
僕は人差し指を口に当てる。
「大丈夫だって、ちょっと覗いてみるだけなんだから。」
「あぁ・・・ちょっとじゃすまなそう。」
なんてジュディーは両手を胸に当てて、目をグルリとさせる。
「ジュディーはイヤなら入らなくても良いよ。でも僕は行く。」
「ケヴィン一人でほっとくわけにはいかないでしょう。」
そしてジュディーは小さい頃からの僕の失敗を一つ一つ挙げていく。
「私がいなきゃ、あんたは昔からダメなんだから。」
はいはい、お世話になりましたとも。
「だからさ、一緒に行ってよ。ジュディが一緒なら僕も安心。」
お姉さんぶりっ子のジュディーはいつだって頼まれたら断れない、「あぁ。」と大きくため息をもらす。
今夜の一番の宝物はきっと君にあげるよ、と僕は心の中で誓う。
僕はジュディーの手を取り、反対の手で鍵を扉の鍵穴に差し込む。
カチャリと鍵が外れる音。
僕の手の中の、ジュディ-の手が緊張で少し湿っている。
僕は握る手にほんのちょっとの力をたす。
「さぁ行こう。」
扉はいつだって新しい冒険への入り口。


kage2.jpg

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コメント

>『扉は冒険の入り口』 ☆ 影さん、お誕生日おめでとう!!
素敵なお話ですね!ナルニア国物語をちょっと思い出しました。扉の向こうの不思議な世界...私も行ってみたいです(笑)
それにしても、物語とイラストがとても合っていることに驚きです。どちらが先なのでしょうか?
>『扉は冒険の入り口』 ☆ 影さん、お誕生日おめでとう!!
mamさんお疲れ様です!
とても良いお話をありがとうございましたm(_ _)m
まさかこのイラストからこういうお話が出来上がるとは
全く予想してませんでした(笑)
保存しておきます。これみてニヤニヤしてたのは内緒。
プレゼントには充分過ぎる程の代物です!

>>カマンさん
イラストが先で、mamさんが後からお話を考えてくださいました。
>『扉は冒険の入り口』 ☆ 影さん、お誕生日おめでとう!!
>カマンさん

ばれましたか。(笑
ナルニアみたいに扉の向こうに別の世界って言うのが良いなぁと思ったのです。

このお話は扉の向こうは、ある時は海賊船に行き、ある時は小人の国、また妖精の国・・・ってイメージで作ったのです。
元気な主人公が活躍する物語。
影さんっぽいイメージにしたかったので。
>『扉は冒険の入り口』 ☆ 影さん、お誕生日おめでとう!!
>影さん

気に入ってくれたなら、一安心です。

影さんが考えていた“盗賊”設定を少しでも入れたいなぁと思ってがんばってみました。

お話が浮かぶイラストが良かったのですよ。

また素敵なイラストを描いてね。
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Author:mam
『よろず屋の猫』の支店です。
本店はhttp://plaza.rakuten.co.jp/yorozucat/です。

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