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『鋼の錬金術師』 15巻 感想 
鋼の錬金術師 15 (15) 鋼の錬金術師 15 (15)
荒川 弘 (2006/11/22)
スクウェア・エニックス

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リザがエドに語るイシュヴァール戦の真実です。
これは話の筋が分れば良いと言う巻ではないと思いましたので、あらすじは書きません。
実際に読んで感じて欲しいです。

感想は内容に触れます。
未読の方は、お気をつけ下さい。
少年マンガで“戦争”と“宗教”をこんな風に描いたものは、ちょっと他に思い浮かびません。

国民を守るために軍の一員として錬金術を使う、その若い理想に燃えるロイはイシュヴァール戦の現実を前に、率先して敵側の国民を錬金術で殺すことにより、味方の兵だけでも守ると言う選択を取っている。

アームストロング少佐は、敵国の国民も守りたいと思い、しかし戦場においてそれは甘いのだと知らされ、心が壊れてゆく。

医者として敵側の国民の負傷者を助けるウィンリーの両親、一方軍の医師であるノックスは人体実験を行っている。

戦争とは大量殺人なのです。
この事実を前に、どちらのサイドも深く傷ついてしまいます。

私は戦争はしないに越したことはないと思っていますが、だからと言って全ての戦争を否定もしません。
しかしどのような正義の御旗があろうとも、戦争とは即ち大量殺人なのだと言うことは理解しているべきだと思います。
その事実には謙虚であるべきだと思います。

イシュヴァールは戒律の厳しい宗教国でもありました。
しかし神は救ってはくれません。
イシュヴァラ教最高責任者は戦争を止めようと、自らの命を差し出します。
しかしブラッドレイ総統はこう言うのです。
「一人の命はその者一人分の価値しかない。」
最高責任者の命を取ったからと言って、それが他の幾多の命の代替にはならないと言う事です。
宗教の神はあくまでその宗教を信仰する者の中でだけ存在するもの、それ以外のものにとっては存在すらがありません。
だからこそブラッドレイは言います、「我々に鉄槌を下しに来るのは神ではなく、人間だろうな。」と。
およそ今、宗教を廻って起こっている全ての戦いの根底に、自分が信じるものと相手が信じるもの、それを理解しようとしない愚かさがあると思います。
自分が信じることを否定はしませんが、それに固執し、相手にも求めるのは傲慢な愚かさだと思います。




重い話になってしまいました。
マンガの感想ということで・・・。

過酷な戦争を体験しても尚、青い理想を捨てないロイが素敵です。

またかつてそのロイに託した父の錬金術の技を、二度と他の者に渡って使われないようにと、背中に残した秘密を焼くように言うリザの覚悟も凄いです。
このマンガは女性が肝っ玉が据わってますね。
そのリザ、再び軍に戻りロイに言うセリフ。
「新しく生まれてくる世代が幸福を享受できるように、その代価として我々は屍を背負い、血の河を渡るのです。」
錬金術師を父に持つリザだからこその“等価交換”、また女性だからこそのセリフと思いました。

キンバリーが出てきますが、性格の悪さはともかく、イシュヴァール戦初期はまともな人間でした。
同意は出来ませんが、言っていることの筋は通っています。
しかし“賢者の石”の力を手に入れてから変わります。
人間がその限界を超えて力を得た時、果たして人間として正常でいられるのかどうか、これから描いてくれると面白いんですけどね。

15巻にもなる長い話となった『ハガレン』ですが、話に破綻がないですね。
最初からきちんと筋立てを考えてあるのだと思います。
だからこそエドをLev.100で話を始める、なんてマネが出来るんですよね。
この先も楽しみです。

ところで・・・。
巻末に荒川先生の他の作品の宣伝が載ってましたが、読んでみたーい!!、と思いつつも忙しくなって『ハガレン』が荒れてきた・・・なんて事がないと良いなぁ、なんていらぬ心配をしてしまいました。

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テーマ : 鋼の錬金術師
ジャンル : アニメ・コミック

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コメント

この15巻だけは、ハガレン読んでない人にも読んでほしいです~
なので、私はダンナにpushしてます。
アマゾンに
アマゾンに、mamさんのレビュー、入りました!
ありがとうございます。
>ばななさん
今までの巻を読んでなくても、この巻は良さが分る巻ですし、物語とは関係なく、感じるべきことも、考えるべきこともあると思います。
うちも旦那さんに薦めてみようかな。

やっとamazonに載りましたか。
あぁ、良かった。
見に行ってみますね。
15巻、読みました
昨日15巻が発売されていることに気づき、今日あわてて書店に行って買ってきました。
ハガレンは、きっと結末やそこまでのエピソードがきちんと考えられているのでしょうね。物語の土台にあたるエピソードがきちんと示されているので、一人一人の生き様にリアリティーを感じます。15巻は、内容は暗くて重くて読むのが辛いけれど、絶対に読まなければならない1冊だと思いました。
また、カバーの折り返しに書いてあった作者のことばの中の大事に世界大戦経験者のことばが、私も心に残りました。
mamさんのレビュ-、amazonに載ったのですか!?後で見てみますね。
>カマンさん
描くにあたって、戦争経験者の話をきちんと聞くと言う姿勢が立派ですよね。
この巻だけでも独立して、なるべく多くの人に読んでもらいたいなと思わせるものがありました。

amazonに載ったのは、ばななさんが書かれた絵本『サメのこどもたち』のレビューです。
ここに書いた記事をほとんどコピペしたものなんです・・・。
この間「トンマッコルへようこそ」という朝鮮戦争をモチーフとした映画を観たのですが、年配の観客が多くて、そのとき「戦争の映画は観ない」というコメントを思い浮かべました。この人たちはどういう思いで戦闘場面を観ているのだろう・・・と。

どこで目にした言葉だっけ・・・と思っていたんですが、ハガレンだったのか。

「戦争は悪」と簡単に切り捨てられない現実は重いです。
>こっこさん
映画の感想記事、ブログの方で読ませて頂きました。
辛い思い出に、なるべく触れたくない人と、係っていこうと言う人、それぞれですよね。

戦争は全て悪なのだと、単純に言い切れないところに、現実の難しさがあると思います。

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「鋼の錬金術師」の最新刊を買ったので感想など書いてみることにする。1)目の前で人が血を吐いて倒れたら、とりあえず全力で逃げる(だって怖いじゃん)2)ホークアイ中将はお父さんには似てないと思う。3)キンブリー少佐はいい男だけど、私の好みではない(やっぱり..
昨日の夜のうちに届いていたらしいハガレン15巻。やっと読むことが出来ました。イシュヴァール殲滅戦の話、重かったです。あの重い内容で巻末、遊んじゃっていいの?ってな感じにハジけてましたね。巻末は大笑いです。やっぱいい作品だなぁ、ハガレンって。戦場の空気がね..
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『よろず屋の猫』の支店です。
本店はhttp://plaza.rakuten.co.jp/yorozucat/です。

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